地域福祉学科の基礎ゼミナールCでは、グループごとに地域に出て、地域の方々と関わらせていただく中で、地域活動等に参加したり、学ばせてもらったりしています。昨年度までは、短期大学時代からお世話になってきた市内の2地域、高尾地域と神郷高瀬地域に計5つのグループが関わらせていただく形で進めておりました。今年度からは、新たに新見御殿町地域に関わらせていただくグループを新設し、計6グループで各地域に出て活動を行うこととなりました。

 新見御殿町地域には、2019年5月15日の基礎ゼミナールでも、新見及び県内、そして全国各地から集結した新見公立大学地域福祉学科1期生が訪問させていただきました。彼らが4年間学ぶ地である、新見の町と歴史を知る試みとして全員でまち歩きをさせていただきました。

2019年5月の新見市内まち歩きでの写真
2019年5月「1期生(現3年生)たちが1年生の頃の写真です。2年前はマスクを着用せずにこのような活動ができました。」

 新見御殿町での受け入れ団体は、新見御殿町まち歩きガイドの会(大西 洋代表)です。今年度の初交流である5月26日(水)には、御殿町グループの学生10名と教員3名が同地域を訪問しました。
 津國屋ギャラリーでお互いに自己紹介した後、説明動画を視聴し、まち歩きガイドの会の会員の案内のもとまち歩きをしました。
 350年以上前に作られた高梁川の高瀬舟の発着所、旧商家の屋敷である大池邸、古い食器や百人一首かるたなどのお宝が保存されている津國屋内蔵、往時「寿福松原」と呼ばれ樹齢250年の寿福の松があった四間幅の松原通り、当時の政財界の有力者たちも宿泊した元大阪屋旅館別館、セメント産業などで栄えた元料亭松葉などを回りました。

)四間幅の松原通りについて説明を受けているようす
四間幅の松原通りについて説明を受けています。この道幅の広さは関家が有力であったことを示します。

明治から昭和30年代まで営業していた元大阪屋旅館別館
明治から昭和30年代まで営業していた元大阪屋旅館別館について説明を受けています。

 学生たちからは「普段、家の前にある大きな川としか思っていなかった高梁川が昔は重要な移動手段として使われていたと知り、見方が大きく変わりました。そして、話を聞いていく中でガイドの方々の御殿町に対する思い、この景観をできるだけ残していきたいという熱い思いが伝わってきたのが印象に残っています」。
 また、「今回、こうして実際に見聞きして学んだ新見市及び御殿町に関することを改めて自分の中で整理するとともに、四年間住むことになる新見市のことをもっと知りたいと思える良い機会になった」というような感想が述べられました。

 今回のまち歩きの課題は、各自がテーマを一つ選び、それについて調査及び考察をした内容について発表するというものです。
 7月7日(水)に御殿町センター2階の会議室において学生たちが各自の発表を行う会を開催しました。学生が取り上げたテーマは、「高瀬舟」「丸川松隠・山田方谷」「百人一首かるた」「食器」「まちおこし」などでした。
 発表後にはまち歩きの会のメンバーや新見市商工観光課の職員の方々よりコメントやご教示をいただいたとともに、お褒めの言葉もいただきました。

学生たちが各自のテーマについて堂々と発表をしました
学生たちが各自のテーマについて堂々と発表をしました。

学生代表より皆さんにお礼の挨拶をしました。
学生代表より皆さんにお礼の挨拶をしました。

 まち歩きの会より「第2弾の活動」の希望や学生が提案した「百人一首かるたのイベント」開催を望む声が聞かれました。
 今後の予定として、船川八幡宮の土下座祭りに合わせて新見を訪問される関家の現当主をお囲みして「御殿様への拝謁」の機会を持たせていただく予定にしております。