大学院健康科学研究科 看護学専攻(博士後期課程)の3ポリシー
看護学専攻(博士後期課程)「修了の認定に関する方針」(ディプロマ・ポリシー)
研究科の定める期間在学し、研究科の教育目標及び教育目的に沿って編成された教育課程(カリキュラム)のもとで所定の単位数以上を修得し、以下に示す資質や能力を修得するとともに、必要な研究指導を受けた上、博士論文を提出して、その審査及び最終試験に合格した者に、博士(看護学)の学位を授与します。
- 研究者としての高い倫理観と使命感を持ち、課題解決に向け主体的に取り組む姿勢を有している。
【研究者としての態度】 - 全世代のこころと身体の健康を支援する地域包括ケアを構想し、課題を追究、解決する能力を有している。
【構想力・課題解決力】 - 地域医療・看護の質の向上と発展に寄与する研究を自ら構想・遂行する能力を有している。
【研究力】
修了要件
看護学専攻(博士後期課程)の修了要件は、3年以上在学し、19単位以上を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上、博士論文を提出して、その審査及び最終試験に合格することとする。ただし、在学期間に関しては優れた研究業績を上げた者については、当該課程に2年以上在学すれば足りるものとする。
看護学専攻(博士後期課程)「教育課程の編成及び実施に関する方針」(カリキュラム・ポリシー)
(1)教育課程の考え方
看護学専攻(博士後期課程)では、ディプロマ・ポリシーに掲げた資質・能力を修得した人材を育成するために、以下のような方針で教育課程(カリキュラム)を編成しています。
- 保健・医療・福祉システムにおける看護政策の動向を踏まえ、研究に必要な倫理について理解し、看護の現状と課題・あり方について探究する力を養う科目を配置する。
- 全世代型地域包括ケア看護学を構想し、その深化・推進に貢献する質の高い看護専門職を育成する科目を配置する。
- 中山間地域で生活する人々の看護の課題、こころと身体の健康と生活課題への支援、保健・医療・福祉の連携を含めた地域の現状や将来予測を踏まえ、看護の課題を探究し、分析する力を養う科目を配置する。
- 医療機関から在宅や地域などへの療養の場の移行やそれを支える専門職の役割と機能、 職種間の連携などを探究する科目を配置する。
- 研究力を深化させ、看護に関する広い視野を身につけ看護学の発展に貢献する力を養う科目を配置する。
(2)学修内容及び学修方法
教育課程(カリキュラム)は、共通科目と専門科目で構成されます。
基盤科目では、地域の保健医療の課題に関する講義や討論、文献抄読を通じて、地域医療に貢献するための思考力や研究力、課題解決力、マネジメント力を育成します。
専門科目では、学生の関心に応じて「地域支援システム看護学領域」と「継続療養支援開発看護学領域」のいずれかを選択履修します。「地域生活支援看護学領域」では、中山間地域で生活している全世代を対象とした健康問題を取り上げ、講義と文献抄読・討論により、健康支援や介護予防の視点から看護の課題および支援方法について探究し、多職種間の連携やマネジメントを行い、地域の支援システムに看護の視点から提言ができる能力を養います。「継続療養支援開発看護学領域」では、医療機関で療養している患者の看護ケアに関する問題を取り上げ、講義と文献抄読・討論により、病院医療から在宅医療などへの移行に伴う職種間の連携や看護専門職の役割と機能、在宅療養者とその家族へアプローチするための分析力、看護実践力、教育力を基に新たな看護モデルの開発ができる能力を養います。
また、「演習・研究」では、各領域に関する研究に取り組み、博士論文の作成・発表を通じて、研究力を深化させ、看護に関する広い視野を身につけ看護学の発展に貢献する力を養います。
(3)学修成果の評価方法
講義科目、演習科目においては、シラバス等に記載されている到達目標の達成度に従い、成績評価の方法(発表内容や課題、レポートなど)を用いて評価します。
修士論文においては、複数の審査員が、下記の「看護学専攻(博士前期課程)修士論文審査基準」に基づいて、①表題、②目的・背景、③研究方法、④結果、⑤考察、⑥看護の視点、⑦完成度、⑧プレゼンテーションを総合的に判断し、評価します。
博士論文の審査基準
博士論文は、「看護学」の学位を授与できる学術論文として、完成度を備えていることを客観的に評価できた論文とする。客観的に評価する指標として「看護学専攻博士後期課程博士論文審査基準」を示し公表する。
【博士論文】
○審査・評価項目
[学術的重要性・妥当性]
・学術的に重要な価値ある研究テーマである。
・看護学として重要な知見を有し意義がある。
・看護学の発展に貢献し、波及効果が期待できる。
・看護実践を進展させる有用性がある。
[研究計画・方法の妥当性]
・研究構想や研究目的が明確である。
・研究目的を達成するために、研究方法は十分に練られている。
・科学的根拠に基づいた研究方法を用いている。
・対象選定、データ収集方法が適切である。
・結果の信頼性や再現性・適用範囲が明確である。
・先行研究との比較、文献引用が適切である。
[研究の独創性及び新規性]
・独創性、新規性のある研究である。
・看護学としての新しい知見を有している。
・看護学を発展させる新たな可能性を有している。
[倫理的配慮]
・文献データならびに資料の引用・出典の明示がある。
・研究方法、対象選定など倫理的配慮は、法令等に従い、所定の手続き・対策を講じている。
[論旨の明確性、一貫性]
・論理の展開に一貫性がある。
・要旨は明確である。
・適切な文章表現で結果に基づき的確に考察している。
[博士論文発表会での回答の適切性]
・発表はわかりやすく説得力がある。
・質疑応答の回答内容は明確かつ適切である。
・質問に対する回答が明確である。
○審査・評価基準
上記項目についての判断をもとに、博士論文として適しているか否かを総合的に判定する。
看護学専攻(博士後期課程)「入学者の受入れに関する方針」(アドミッション・ポリシー)
(1)基本方針
本学健康科学研究科看護学専攻(博士後期課程)にあっては、学校教育法施行規則第156条第7号の規定に基づいて、看護師免許を有し、かつ修士または専門職学位を有する者(取得見込みの者を含む)を受け入れます。ただし、個別の入学資格審査により、修士または専門職学位を有する者と同等以上の学力があると認められる場合は、出願資格を与えます。
(2)アドミッション・ポリシー
本学健康科学研究科看護学専攻(博士後期課程)では、以下の受入方針に従って、優れた人材を幅広く求めている。
- 論理的思考力、語学力、コミュニケーション力に加え看護学の専門的知識・技術を有している人
【基礎的研究力】 - 地域医療・看護の現状に対して明確な問題意識を有している人
【明確な問題意識】 - 地域医療・看護に対する深い関心と科学的探究心を有している人
【看護学の探究心】 - 自己研鑽し、社会に貢献しようとする意志を有している人
【社会貢献への意欲】
[入学までに修得すべき学力・能力]
中山間地域の全世代型地域包括ケア看護を探究するために、国内外の文献を広くレビューするとともに、看護実践と理論とを結びつけて思考できることが必要です。地域医療・看護に対する深い関心と科学的探究心を持ち、課題の分析力を養うとともに、常に明確な問題意識を持ち、基礎的な研究力を高めておくことが必要です。
[入学後に身につける能力]
全世代型地域包括ケア看護学の深化・推進に貢献する質の高い看護研究者として、高い倫理観と使命感を持ち、課題解決に向け主体的に取り組む姿勢とともに、全世代のこころと身体の健康を支援する地域包括ケアを構想し、課題を追究、解決する能力を修得します。さらに、地域医療・看護の質の向上と発展に寄与する研究を自ら構想・遂行する能力を修得することができます。
[入学者選抜の基本方針]
入学者の選抜は、筆記試験として、専門科目(看護学)、英語、面接(口述試験)及び提出書類(修士論文及び研究計画)による総合的判定とします。専門科目(看護学)および英語においては、看護学の専門分野に関する設問と看護学の英文読解の設問により、アドミッション・ポリシーにある看護学に関連する基礎的研究力を評価します。成績証明書及び研究志望調書は面接の参考とします。
また、本学大学院において行う個別の出願資格審査により、修士の学位または専門職学位を有する者と同等以上の学力があると認めた人に出願資格を与えます。
入学者選抜方法における重点評価項目(求める人物像と入学者選抜方法との対応表)
区分 | 基礎的研究力 | 明確な問題意識 | 看護学の探求心 |
社会貢献への意欲 |
専門科目 (看護学) |
〇 | |||
英語 | 〇 | |||
面接 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
〇は、重視する要素