大学院健康科学研究科 看護学専攻(博士前期課程)の3ポリシー
看護学専攻(博士前期課程)「修了の認定に関する方針」(ディプロマ・ポリシー)
研究科の定める期間在学し、研究科の教育目標及び教育目的に沿って編成された教育課程(カリキュラム)のもとで、以下に示す資質や能力を修得するとともに、必要な研究指導を受けた上、修士論文を提出しその審査及び最終試験に合格した者に、修士(看護学)の学位を授与します。
- 所定の単位数の修得、修士論文の作成等のほか、特別研究Ⅰ・Ⅱにおいて、研究に主体的に取り組み、研究者としての基礎的能力を身に付けている。 【研究力】
- 看護学の課題への真摯な探究によって、専門職業人としての高い倫理観と看護学発展のための広い視野と行動力を身に付けている。
【看護力】 - 地域社会の看護上の課題へ取り組むために必要な、連携能力や課題解決のため の人材活用など、包括的な人間関係能力と実践力・教育力を身に付けている。
【看護実践力・教育力】
修了要件
看護学専攻(博士前期課程)の修了要件は、2年以上在学し、30単位以上を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上、修士論文を提出して、その審査及び最終試験に合格することとする。ただし、在学期間に関しては優れた研究業績を上げた者については、当該課程に1年以上在学すれば足りるものとする。
看護学専攻(博士前期課程)「教育課程の編成及び実施に関する方針」(カリキュラム・ポリシー)
(1)教育課程の考え方
看護学専攻(博士前期課程)では、ディプロマ・ポリシーに掲げた資質・能力を修得した人材を育成するために、以下のような方針で教育課程(カリキュラム)を編成しています。
- 研究力を身に付けるため、看護研究に関する科目を配置する。
- 看護に関する広い視野と行動力を身に付け看護学の発展に貢献するための科目を配置する。
- 「地域生活支援看護学領域」では、地域生活における看護の課題を探究する科目を配置する。中山間地域で生活する人々の看護の課題、在宅療養者の健康と生活課題への支援、保健・医療・福祉の連携などの討論を通して実践力・教育力を高める。
- 「療養支援看護学領域」では、療養生活の場の移行に伴う連携を探究する科目を配置する。生活習慣病やがん患者の在宅医療、精神疾患患者の社会復帰、育成期に多い疾病による家庭療養や子育てに係わる課題を分析し、医療機関から在宅や地域などへの療養の場の移行やそれを支える専門職の役割と機能、職種間の連携などの討論を通して実践力・教育力を高める。
(2)学修内容及び学修方法
教育課程(カリキュラム)は、共通科目と専門科目で構成されます。
共通科目では、学生の研究手法に関する知識・技術を修得するとともに、与えられた研究課題に関する文献を精読し、その結果について発表・討論することを通じて、研究者としての基礎的能力を身に付けます。
専門科目では、学生の関心に応じて「地域生活支援看護学領域」と「療養支援看護学領域」のいずれかを選択履修します。「地域生活支援看護学領域」では、地域生活における看護の課題を探究する講義・演習を通じて、中山間地域で生活する人々の看護の課題、在宅療養者の健康と生活課題への支援、保健・医療・福祉の連携などの討論をとおして実践力・教育力を高めます。「療養支援看護学領域」では、療養生活の場の移行に伴う連携を探究する講義・演習を通じて、生活習慣病やがん患者の在宅医療、精神疾患患者の社会復帰、育成期に多い疾病による家庭療養や子育てに係わる課題を分析し、医療機関から在宅や地域などへの療養の場の移行やそれを支える専門職の役割と機能、職種間の連携などの討論をとおして実践力・教育力を高めます。
また、「演習・研究」では、各領域に関する研究に取り組み、修士論文の作成・発表を通じて、独自の課題について、主体的に考究・発信する能力を身につけます。
(3)学修成果の評価方法
講義科目、演習科目においては、シラバス等に記載されている到達目標の達成度に従い、成績評価の方法(発表内容や課題、レポートなど)を用いて評価します。
修士論文においては、複数の審査員が、下記の「看護学専攻(博士前期課程)修士論文審査基準」に基づいて、①表題、②目的・背景、③研究方法、④結果、⑤考察、⑥看護の視点、⑦完成度、⑧プレゼンテーションを総合的に判断し、評価します。
【修士論文】
○審査・評価項目
[表題]
・論文内容を反映した表題である。
[目的・背景]
・文献検討が十分されている。
・研究目的が明確である。
・新規性・独創性がある。
[研究方法]
・対象の選定が適切である。
・データ収集方法が適切である。
・分析方法が適切である。
・倫理的配慮がなされている。
[結果]
・目的に沿った分析結果を記述している。
・図表の表し方が適切である。
・結果の信頼性や再現性・適用範囲が明確である。
[考察]
・結果に基づいた考察である。
・目的に沿った考察である。
・先行研究との比較、文献引用が適切である。
[看護の視点]
・看護活動の向上、改善に役立つものである。
[完成度]
・論文に一貫性がある。
・誤字・脱字がない。
・文章表現が適切である。
[プレゼンテーション]
・わかりやすさ、説得力がある。
・質問に対する回答が明確である。
○審査・評価基準
上記項目についての判断をもとに、修士論文として適しているか否かを総合的に判定する。
看護学専攻(博士前期課程)「入学者の受入れに関する方針」(アドミッション・ポリシー)
健康科学研究科看護学専攻(博士前期課程)では、【Ⅰ期】一般・特別入試(社会人)、【Ⅱ期】一般・特別入試(社会人)により入学者選抜試験を実施し、看護学の視点からみた全世代型地域包括ケアを追究・実践し、地域医療を支える人材として、幅広い知識と研究力・教育力を有する質の高い看護専門職の育成のために、以下の資質を持つ優れた人材を幅広く求めている。
① 看護学への深い関心と研究課題への強い探究心を有している人
【看護学の探究心】
② 地域医療・看護学の発展に寄与する明確な研究テーマを有している人
【研究テーマの明確化】
③ 将来、看護実践者・教育者・研究者としてキャリア形成への意欲と必要な能力を有している人
【キャリア形成力】
④ 研究を進める上での英語力を有している人
【英語力】
[入学までに修得すべき学力・能力]
入学時において、全世代型地域包括ケア看護を追究・実践するために、最も基本的な看護および地域医療に対する高い関心を持っている必要があります。その上で、本専攻を修了後、看護の視点から全世代型地域包括ケアを追究・実践する看護実践者・研究者・教育者として活躍するという意欲が必要です。そのために、地域医療における看護の役割と多職種連携に関する知識や見識を広げておいてください。
[入学後に身につける能力]
入学後は2年をかけて、研究に主体的に取り組み、研究者としての基礎的能力を修得します。また、看護学の視点からみた全世代型地域包括ケアを追究・実践する専門職業人としての高い倫理観と看護学発展のための広い視野と行動力を修得します。さらに、地域社会の看護上の課題へ取り組むために必要な、連携能力や課題解決のための人材活用など、包括的な人間関係能力と実践力・教育力を修得します。
[入学者選抜の基本方針]
入学者の選抜は、筆記試験として専門科目(小論文)と英語、面接による総合的判定とします。専門科目(小論文)および英語においては、看護学の専門分野に関する設問と看護学の英文読解の設問により、アドミッション・ポリシーに掲げる学習者としての基礎的能力を評価します。成績証明書及び研究志望調書は面接の参考とします。
また、4年制大学の卒業生だけでなく短期大学や専修学校の卒業生で一定の要件を満たす者で、本学大学院において行う個別の出願資格審査により、学士の学位を有する者と同等以上の学力があると認めた人に出願資格を与えます。
入学者選抜方法における重点評価項目(求める人物像と入学者選抜方法との対応表)
区分 | 看護学の 探求力 |
研究テーマの 明確化 |
キャリア |
英語力 | |
専門科目 (小論文) |
一般入試 | 〇 | 〇 | 〇 | |
特別入試(社会人) | 〇 | 〇 | 〇 | ||
英語 | 一般入試 | 〇 | |||
特別入試(社会人) | 〇 | ||||
面接 | 一般入試 | 〇 | 〇 | 〇 | |
特別入試(社会人) | 〇 | 〇 | 〇 |
〇は、重視する要素