新見公立大学新・健康科学部開設式 (平成31年4月7日)

開設宣言

 本日、ここに文部科学省大臣官房総括審議官 瀧本寛(ゆたか)様、公立大学協会会長 郡 健二郎様、参議院議員 石井正弘様、小野田きみ様をはじめとする多くのご来賓の皆様にご臨席を賜り、栄えある第一期生180人とそのご家族の皆様を前に、公立大学法人新見公立大学を代表して、新見公立大学 新・健康科学部の開設を宣言いたします。

 本学は、1980年、遡ること39年前に全国初の広域事務組合立として設立された新見女子短期大学に始まります。恐らくは新見市が現在直面している少子・高齢化と人口減少を予測するとともに、地方創生の基本は教育にあるという信念に基づいて、幾多の困難を乗り越えて公立短期大学を創設された赤木孜一・旧新見市第3代市長の先見性と行動力に頭が下がります。同時に、開学当初より、この中山間地域に入学生を広域的に募り、質の高い専門教育を実践するために集結されてきた歴代教授陣の心意気に敬意を表します。血の通った指導と不断の教育改革の実績は、2003年~2008年に文部科学省が、他大学の模範となる教育実践と改革の取り組みとして選定し、財政的にも支援したGood Practice事業に7件採択されたことに結実しています。
 加えて、本学は、1994年に旧新見市長となられ、2005年以降も引き続き1市4町合併後の新見市長を務められ、2016年11月に不慮の事故で亡くなられた 故・石垣正夫市長からの足掛け23年に亘る物心両面の支援により、ハード面を含む学修環境の改善、充実が図られました。また、同時期に14年間に亘り学長を務められた難波正義前学長のリーダーシップのもと、2008年に法人化され、以後、2010年大学の開学、看護学部看護学科の設立、2014年大学院の開学、2015年助産学専攻科の開設など大学の基盤整備が進展しました。
 2016年に第7代学長に就任しました私、公文は、石垣市長の命を受け、短期大学2学科の四年制化を基本とする大学改革に着手しました。教職員の改革に対する熱意と日本開発構想研究所のサポートを基盤に、まず、2017年に看護学部を健康科学部に名称変更し、看護学科に加えて、健康保育学科、地域福祉学科を新設して、1学部3学科体制とする構想で計画を進めました。途中、石垣市長の急逝という不幸な出来事に遭遇しましたが、新しい教員人事が進むにつれて、新・健康科学部の構想も深化し、池田一二三新市長の賛同のもとに、2018年4月文部科学省に改組届を提出しました。看護学科の定員増、ならびに教職課程を含む各種の養成課程などの新しい計画の全てが、特段の指摘事項もなく2018年11月までに文部科学省から正式に認可され、本日を迎えることが出来ました。

 これより、本学は、日本の典型的中山間地域にあるほぼ唯一の保健福祉系の公立大学の使命として、人口約3万人の課題先進地域・新見市にある地の利を活かして、日本の中山間地域における地域共生社会の構築に求められる看護学科、健康保育学科、地域福祉学科の役割と多職種連携を実践的に研究、教育する特色のある公立大学を目指して参ります。
 終わりに、新・健康科学部の設立にご尽力を賜りました多くの皆様に改めて感謝を申し上げますとともに、引き続き暖かいご支援とご厚情をお願い申し上げます。
 
 平成31年4月7日

                                                                                 公立大学法人新見公立大学 理事長
                                                                                    新見公立大学 学長 公文 裕巳