10月21日~22日、地域福祉学科1~3年生、看護学科2年生、計15名が国立療養所長島愛生園(岡山県瀬戸内市)を訪れ、一泊二日で「長島スタディツアー」を行いました。

 このスタディツアーは、グラフィックレコーダーの北浦菜緒さんの企画・主催で行われ、学生たちがハンセン病や長島の歴史について学ぶツアーです。

 


 ツアーは、長島の憩いの場「さざなみハウス」からスタート。さざなみハウス手作りのランチをいただき、学生たちが自己紹介をしながら意気込みを語ります。

 


 愛生歴史館を訪問し、学芸員の方による説明を聞き、展示を見学しました。

 


 島内にある患者収容桟橋、収容所、監房、納骨堂などを見学しました。

 


 晩は、北浦さんのファシリテートのもと、見学や学芸員による講話を通して感じたこと、考えたことを自由に話し合うラウンドスタディです。グラフィックレコーダーの北浦さんが、その場で学生たちの意見を、文字やイラストで鮮やかに可視化し、まとめあげていきます。

 


 二日目の朝は、皆で日の出を見に行きました。長島を囲む瀬戸内の風光明媚な海は、昼は穏やかに、朝は夜明けの海を明るく照らします。(かつては、夜の海は、長島を隔絶する漆黒の壁として立ちはだかったそうです。)

 


 午前中は、「長島ストーリープロジェクト」を視聴しました。入所者や職員、アーティストの視点で構成された映像です。視聴後は「これからのわたし・地域共生・人権・創造」をテーマに、感じたことや未来の自分の展望を話し合います。

 看護学科の学生たちからは、ハンセン病患者のみならず、当時、ハンセン病患者を支えた医療従事者や看護スタッフはどのように感じ考えていたのだろうか、という看護を学ぶ視点からの意見が出されたり、地域福祉学科の学生からは、差別や人権、地域共生の観点から問題提起があったり、活発な議論や意見交換の場となりました。

 


 午後は、各自、写真を撮影し、一文を添えたポストカードをつくりました。

 

参加した学生の感想

 ハンセン病の療養所を見学する機会がある活動ということで、看護を学ぶ身としてハンセン病について詳しく学びたいと考え、今回この活動に参加させて頂きました。実際に使用していた建物の中を見学したり、私とそう歳の変わらない患者さんの作文を読んだりすると、患者さんが感じてきた差別や、患者さんの人としての強さを直に感じることが多く、教科書だけでは学べないことを多く知ることができました。また、グループのメンバーと意見を出し合っていく中で、視野が以前より遥かに広がったように思います。自分の看護観を改めて見直し、育てていく良い機会になったと感じています。
                                (看護学科2年 梅園 夏芽)

 

 今回の長島愛生園での2日目の学びで、講義の中で見たり聞いたりした内容と、実際に見て学んだ内容とでは違うことが多く、驚くことが多かったです。また、グループワークを通して福祉の視点だけでなく看護の視点や、一般的な視点など様々な視点からハンセン病や差別・偏見について考えることができました。今回学んだことを自分の中にとどめるだけでなく、自らも発信し、身近な人たちと共に考える機会があればと思いました。その際に、自分が新たな偏見を生み出してしまわないようにしたいです。
                                (地域福祉学科3年 石上昌幸)