卒業生、修了生の皆さん、本日はおめでとうございます。新見公立大学・新見公立短期大学学長 公文 裕巳

(新型コロナウイルスの感染拡大により、卒業式が中止となりましたので、ホームページ上で皆さんへの祝辞を届けます。)
 
 令和2年3月18日、新見公立大学 健康科学部看護学科58名、助産学専攻科5名、大学院看護学研究科7名、ならびに新見公立短期大学 幼児教育学科55名、地域福祉学科38名の皆さんに、卒業証書および学位記、修了証書を発行できることを大変うれしく思っています。皆さんの努力の積み重ねが一人ひとりの成果とともに本学の発展に繋がっていることを改めて実感しています。有難うございました。特に、新見公立短期大学の有終の美を飾る、幼児教育学科第39期生と地域福祉学科23期生の皆さんには、入学の時点から短期大学の最終学年であるというプッシャーのなか、それぞれの学科の歴史と伝統を受け継ぎながら、2年間に亘り日々努力を重ね、初心を貫いてくれましたことに感謝するとともに、皆さんを心から誇らしく思っています。有難うございました。

 本来は、例年どおりに「まなび広場にいみ」での式典を開催し、皆さんの門出を盛大にお祝するところではありますが、このような異例の形となり大変残念です。ご承知のように、昨年末に中国・武漢で発生した新型コロナウイルスによる感染症が世界中に拡がり、日本ではクルーズ船ダイヤモンドプリンセス号での感染に加えて、感染経路不明の感染やクラスター感染が発生し、全国の学校への休校要請や各種イベントの中止などの緊急対策が実施される事態となっています。自然と共生して暮らす人類には、近年多発する自然災害だけでなく、新興感染症の脅威にも晒されていることを改めて思い知らされています。皆さんには、一昨年の西日本豪雨災害や昨年の新見市集中豪雨災害を含めた新見での経験が、看護、保育、介護という弱者を守る立場となるこれからの専門職人生において、危機管理に関する実践知として少しでも役に立つことを希望しています。
 
 まもなく、皆さんが、夢と希望に胸を膨らませて初めて本学の門をくぐった桜の季節となります。そして、周辺の山々が緑に輝く季節から、新見川に蛍が飛び交う夏を経て、美しい紅葉の秋となり、雪景色の冬から、再び穏やかな春へと新見の四季は巡っていきます。私たち教職員は、この悠久の時を刻む自然豊かな新見の地で、皆さんの人生の最も大切な時期に、時間を共有できたことを大変嬉しく思っています。本学は小規模大学の特色を生かした「血の通う少人数教育」を基盤に専門職の知識、技能の修得と、建学の精神である「誠実」「夢」「人間愛」を基盤に人間力の向上を、車の両輪として39年間の歩みを着実に続けてきました。本学の歴史と伝統に裏打ちされた学びを修了された皆さんは、変化が激しく、予測不能と言われているこれからの社会において、それぞれの領域での専門職として、社会人として、力強く生き抜く力を身に付けていることを保証します。自信を持って、『あせらずに、あわてずに、そして、諦めずに』、新たな目標に向かって挑戦を続けて下さい。
 
令和2年3月18日
新見公立大学・新見公立短期大学学長 公文 裕巳